カメラマンインタビュー
猫が心を許した人にしか見せない、ほんわかした表情やポーズが印象的な関さんの猫写真。見た人を思わず笑顔にしてしまう関さんの写真には、日本はもちろん、世界中にファンがいます。そんな関さんに、デビューまでの軌跡や、カメラやレンズを大切に長持ちさせる使い方を聞いてみました。
- まずは、猫カメラマンになったきっかけを教えてください。
- 小学校の時に保護した猫、ミミーとの出会いで猫の魅力に気づきました。ミミーのわがままさと自由奔放さ、それでいながらときおり見せる優しさにもう夢中で。そんなミミーを撮りたくて、お年玉を貯めてコンパクトカメラを買ったのがはじまりですね。
学校卒業後は、ブライダル専門の会社で撮影を行っていましたが、普段の作品撮りでは気がつけば外で猫を探し、猫ばかりを写していました。そんなに好きなら猫写真家になろうと決意し、4年半所属して、独立しました。
- そして写真集「島のねこ」でデビューされたんですね。
- そうなんです。独立してからはインド、ラオス、ベトナムなどのアジア諸国や東京の下町、日本の田舎町などの猫を訪ねてまわり、沖縄の離島の猫たちを撮影した「島のねこ」でデビューしました。
デビュー後は猫カメラマンとしてのお仕事も増え、今は年に数冊のペースで写真集やカレンダーなどを作っています。猫をきっかけに、飼い主である著名人の方とも仕事をする機会があるのも楽しいですね。
- ご活躍中の関さんですが、カメラやレンズの保管にかなり気を使っていらっしゃるとか。
- 現在、カメラは5台、レンズは20本近く持っていますが、メンテナンスや保管にはかなり気をつけています。特に日本は湿気が高いので、カビが生えないよう防湿庫での保管はマストで、適切な湿度の維持を心がけています。
- 屋外の撮影のときに困ったこともあるのでは?
- そうですね。猫を撮影するのは屋外が多いですし、たいていの猫たちはカメラを見るとこわがってすぐに逃げてしまいます。そのため猫が警戒をといて、こちらが近づいても逃げず、かつ自然な表情やポーズをとってくれるまで、ひたすら"待つことがお仕事"です。
ときには雨が降ってきたり砂埃がまいあがったりと、人にもカメラやレンズにも、なかなか過酷な撮影現場なんですよ(笑)。
関由香プロフィール
(C)Akira Kitajima
長野県出身。撮影会社に所属後、2001年にフリーカメラマンとして独立。
2004年に写真集『島のねこ』でデビュー。
現在は、CMや映画に出演している人気猫のフォトブックや、アジアや日本の島々、沖縄の猫の写真集制作など活動。
写真集に『ねこ in アジア』(ファミマ・ドットコム)『南のねこじま』(ブライト出版)『ぐぅぱぁネコ ミーヤ』(宝島社)『まる文庫』(講談社文庫)など多数。
http://yukaseki.com